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Shima愛!

小豆島 / 小豆島の花崗岩でつくるアロマストーン

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小豆島 / 小豆島の花崗岩でつくるアロマストーン

「瀬戸内アロマシード」大空なお子さん




小豆島産の花崗岩でつくったアロマストーンに、小豆島産ハーブで抽出されたアロマ精油のブレンドを一滴垂らすと、小豆島をイメージした香りを楽しめる「小豆島アロマストーン」。「瀬戸内アロマシード」の大空なお子さんが栽培したハーブから精油を抽出し、小豆島在住のブレンダー「蘇ヲ編ム」さんがブレンドし開発した。今回は、そのアロマストーンを手がけた、瀬戸内アロマシードの大空さんがひらくアロマ精油を使った香りのワークショップのレポートをお届けする。


自家栽培のハーブや柑橘など植物でアロマ精油をつくる


瀬戸内アロマシードの大空なお子さん

瀬戸内アロマシードでは、小豆島で自家栽培したハーブや柑橘など植物から抽出したアロマ精油をインターネットで販売している。大空さんは高松出身で1997年に夫の故郷である小豆島へ住まいを移した。ハーブに興味を持つようになったきっかけは、ハーブ蒸留体験に参加したことだった。

-「当時、ひどい花粉症に苦しんでいたんですが、天然ハーブのアロマ精油の香りを嗅いだら、スッと鼻が通ったんです。呼吸困難で寝つきが悪かったんですけど、その日はスッと寝れて」

レモングラスとラベンダーのアロマを購入し、日々アロマの香りを取り入れるようになると、花粉症の症状が少し楽になったという。そこからハーブやアロマの勉強をはじめ20年ぐらいになった。近くにアロマの教室がなかったので、大阪や東京、広島までも足を運んだそうだ。そうして、2021年瀬戸内アロマシードを立ち上げることに。


オリジナルアロマミストと小豆島の石と植物を使ったディフューザーをつくるワークショップ




最近は、12月〜3月頃限定で、小豆島の岩谷地区にある一棟貸しの宿「ゆる里」で香りのワークショップを開催している。今回、ワークショップに参加させてもらおうと、岩谷の海辺に面したゆる里を訪ねた。玄関から部屋に入ると、机の上に並べられたワークショップの材料や道具の数々。愛らしい花やハーブなど植物が並べられ、見ているだけでワクワクしてくる。


参加者が揃うと、まずは、大空さんが叩く水晶琴から響く、綺麗な音色を聴いて感覚をひらくことからはじまった。香りのワークショップかと思いきや、音色を楽しむところからはじまる粋な演出に、参加者から漏れ出る感嘆の声…… .



水晶琴の音色に清められた後は、いよいよワークショップのはじまり。机の上に並べられた8種類のアロマオイル、芳樟(ほうしょう)・ダイダイ・レモンユーカリ・ローズマリー・ゼラニウム・ブレンドミント・檜の葉・ラベンダーから、香りを試しながら、自分の好きな香りを選ぶ。




選んだアロマオイルをビーカーに垂らし、エタノール、芳香水と調合するとアロマミストの完成。部屋中がいい香りに包まれながら、それぞれ、どの香りがよかったか感想を言い合ったり、調合した香りを嗅ぎ合ったり。ワイワイとそんな時間も楽しい。



つづいては、小豆島の石と植物を使ったディフューザーづくり。気に入った石と植物を選び、丸い箱に彩りよく詰め合わせていけば、ディフューザーの完成。



見て愛らしく香ってリラックスできる箱庭のようなディフューザーと、自分好みの香りに浸れるアロマミスト。日常が華やぐアイテムになることだろう。贈り物にしても喜ばれそうだ。


石とアロマの関係性を通して島の魅力を広めていきたい



ワークショップ後、その日集まった参加者の要望があれば、ゆる里から歩いていける天狗岩丁場へ大空さんが案内することもあるのだという。

-「天狗岩丁場へ案内すると、あまりにも立派な岩を見て、みんな息を飲んで圧倒されるような感じがありますね。ワークショップ後、リラックスした状態で行くと、尚更、感激があるのかもしれません」

大空さんはアロマストーンをつくったことをきっかけに、小豆島の石の魅力に目覚め、せとうち備讃諸島日本遺産推進協議会が開催する石の島ガイド研修にも参加した。石の背景にある長い歴史と、そこから感じられるパワーに惹き込まれているのだそうだ。

アロマストーンの開発秘話についても聞いてみた。

-「最初は丸型に加工された石にアロマ精油を垂らしてみたんですけど、表面がつるつるであまり染み込まなかったんです。穴をあけるなど、いろいろ試した結果、傷を入れてみたら染み込むことが分かって」

アロマが拡散しやすいように石に扇状の細かい溝を入れた。

-「アロマはお湯に入れると、一番揮発して香りが立つんですよ。石の場合、自分の空間だけ静かに香るんですけど、それもまたいいんです」

小豆島で生まれたアロマ精油を通して石の魅力を伝える大空さん。小豆島では、さまざまな特技を持った人たちが、それぞれの方法で石の魅力の切り口を広げていることをあらためて感じたワークショップだった。

インタビュー:2024年3月




「瀬戸内アロマシード」大空なお子
Instagram:https://www.instagram.com/setouchiaromaseed/
BASEshop:https://setolab.base.shop/






<筆者プロフィール>


坊野 美絵。大阪生まれ。2013年に香川県小豆島に移住。文と写真で魅力を伝えることを大切にライターとして活動中。香川県を中心に観光・医療・事業承継・農業などテーマはさまざまに取材記事を書いています。

Web Site: 文と写真
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